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CASE INTRODUCTION

2023.03.01

減損会計を通じてキャッシュフロー経営にも助言しました。

監査法人在職中に、有形固定資産、のれん、不動産等の相当額の減損処理を監査してまいりました。最初に、減損処理に対応したのは2002年でした。当時、日本では、減損会計は導入されていませんでしたが、会社の連結財務諸表は米国基準で作成されていましたのでSFAS121に従った処理が必要でした。対象は特定製品の生産工場でしたが、固定資産という公正価値の測定が困難な物件について、どう評価すべきなのか会社や評価の専門家と慎重に議論を進めました。中でも割引率は一体何パーセントが妥当なのかは議論となりました。この年パートナー初年度で初めて監査報告書にサインをする年でしたので、かなりのプレッシャーを感じたことを今でも覚えています。減損会計は将来キャッシュフローの見積、割引率、成長率等の仮定が大きく結果に影響します。特にキャッシュフローの見積は、期末決算の為に経理部が一時的に作成したものでは信頼性は低く、会社の経営企画等の投資管理に責任を持つ部署が常日頃から収益性をPDCA管理する為に使用しているキャッシュフォローを使わなければ妥当な見積もりは出来ません。適切な減損会計の適用が出来るかどうかは、適切なキャッシュフロー経営が実践されているかどうかと表裏一体なのです。